非球面レンズについて

非球面レンズとは

非球面レンズとは、「1面または両面が球面や平面以外の面から構成されたレンズ」のことで、機能的には、「球面レンズの弱点である球面収差を取り除いたレンズ」のことです。弊社では、この非球面レンズの製造販売を行っております。

レンズとは

レンズとは、「ガラス・結晶・プラスチックなど透明な物質の両面を球面または平面になるように研磨し、光を収束したり発散したりする機能を持たせたもの」です。例えば、虫眼鏡などに使用される平凸球面レンズは、平行光線を焦点に収束する機能を持ったレンズです。

  • 赤外光学・テラヘルツ光学向けのシリコンレンズのように透明ではないレンズもあります。

球面レンズと球面収差

球面レンズとは、「球面と平面のみから構成されたレンズ」のことです。研磨加工がしやすく、高精度なレンズを低い製造コストで大量生産できますので、1970年頃までは、商用のレンズにはもっぱら球面レンズが使用されていました。しかし、球面レンズには球面収差という機能上の欠点があり、球面収差を補正して1点に集光させるには複数枚の球面レンズを組み合わせて使用しなければならないという問題がありました。

球面収差とは、「レンズの中心から外側に行くにしたがって入射光線の曲がりが大きくなるため、射出光線が焦点面で1点に収束せずにボケてしまう現象」のことです。レンズの製造精度や光軸のアライメント調整には関係なく、球面形状そのものに起因する現象ですので、これを1枚のレンズで補正するにはレンズ形状を球面から非球面にするしか方法はありません。

球面収差があるレンズの光線追跡図

非球面レンズの出現

球面収差の問題を解決するには、球面ではなく非球面にすれば良いことは以前から理論的には知られていましたが、製造が難しく長らく実用化には至りませんでした。しかしながら製造技術が進展し、1970年頃から商用でも次第に用いられるようになりました。今日では、非球面レンズは様々な用途で広く使われるようになっています。

球面収差を除去した非球面レンズの光線追跡図

現在の非球面レンズ

現在の多くの非球面レンズは、2次曲面(楕円面・放物面・双曲面)をベース曲面にして球面収差を低減し、それでも除去しきらない収差を高次補正項を利用して修正するという非球面多項式に基づいて設計されています。

非球面多項式について説明するための画像
  • トロイダル面(ドーナツの表面のような形状の面)や自由曲面など、上記の非球面多項式とは異なる計算式に基づいた非球面レンズも存在します。

非球面レンズの素材にはガラス・結晶体・プラスチックが使用され、ガラスとプラスチックを接合したハイブリッド型非球面レンズも開発されています。非球面の形状精度については、±3μm以下の高精度品から、精度が規定されていないラフなものまで様々あり、レンズの材質や要求スペックに従って、プレス・切削・研削・研磨の4つの製法が使い分けられています。

イクタムの非球面レンズについて

イクタムの非球面レンズのカバー範囲

現在の非球面レンズは、素材や製法が多岐にわたっており、すべての領域を1社でカバーすることが難しいのが現状です。弊社では、「高価なCNC非球面加工機を使わない独自の研削研磨加工により、低価格・短納期で製作する中精度領域のガラス製非球面レンズ」をカバー範囲としております。

非球面レンズの製法を分類した表。

イクタムが提供する非球面レンズ

非球面レンズ特注品

お客様が希望する仕様で製作するカスタムメイドのガラス製非球面レンズ。

プレス製作と違って高価な非球面金型代がかからず、少ない初期費用で製作可能です。また、高価なCNC非球面加工機を使わない独自の研削研磨加工により製作しており、一般的な研削研磨品よりも低価格・短納期で提供可能です。

非球面レンズ標準品(廉価版)

1個から即納できる完成品として、弊社にて設計製造し、常時在庫している光学ガラス製非球面レンズ。

仕様を絞って購入しやすい価格設定にしたカタログ販売の標準品です。

非球面レンズ標準品(研究開発向け)

こちらも1個から即納できる標準品ですが、研究開発用にも使いやすいように仕様を設定したものです。
低着色・高屈折率の光学ガラスを使用してレンズ形状をコンパクトに設計し、焦点距離の値を5mm・10mm刻みにして、廉価版よりも選択の幅を広げたラインナップとしました。

非球面単レンズの設計

球面収差を限界まで除去して平行光線を焦点距離に集光させる平凸非球面レンズを弊社にて設計可能です。

お客様のレンズの仕様が定まっていない場合、外径・焦点距離・設計波長を教えていただければ、弊社にて設計のご提案をいたします。

レンズの追加工

非球面レンズ製作後のコーティングと切断加工も承ります。コーティングは外注協力会社様での加工を手配し、レンズの切断は弊社にて加工いたします。その他の追加工につきましてはお問い合わせください。